柏(千葉県)

柏ほど、『都会』というものに執着している自治体はないであろう。2008年に隣町を合併して中核市となったが、それでは飽き足らず「政令指定都市」を目指して隣接する「野田市」や「我孫子市」、「松戸市」などの5つの市にラブコールを送っているが、合併時のうま味が出る時期も過ぎてしまい、スローガンだけが虚しく響いているのが現状だ。
しかし柏は一度、合併によって「東葛市(とうかつし)」という街になったことがある。話は1954年に遡る。平成と同じように昭和にも合併が盛んに行われた時代があった。「昭和の大合併」と呼ばれたこの時代、この地域では柏市の前身である柏町と松戸市の間で、合併話が1つの騒動を起こしていた。今は亡き「小金町(こがねまち)」をどちらに合併させるかで揉めていたのだ。結末は小金町が他2村を含めて一度は柏町と合併して東葛市を作るも、すぐに離脱して松戸市に編入されるという数奇な運命を辿っている。実は柏町と小金町との合併は、地域住民の意向を無視した議会の暴走が原因だった。当時千葉県の県会議員をしていた「松本清」(「マツモトキヨシ」の創業者で後の松戸市長)が、強引に小金町に働きかけて柏町との合併を推し進めたのだ。松本の選挙地盤は小金町であり、合併によって更なる票が欲しかったのだろう。しかし地域住民の意向は松戸市への編入であり、強引に成し遂げられた合併は住民投票によって敢え無く離散、小金町は松戸市に編入され、東葛市は柏市となり柏は市にランクアップしただけだった。その後松本は棚からぼた餅式に松戸市長となり、マツモトキヨシのお陰で任期中無給を貫いて話題になったが、柏としては松本の私欲のために振り回されただけという無様な結果に終わった。
現在の合併協議を鑑みるに、どうやら柏は交渉事が苦手のようである。だから合併話をもちかけても他の自治体に袖にされ、松本のような野心家に利用されるのではないか。過去に学ぶということを、柏には是非履行してもらいたいものである。

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